遊び場大喜利
お題
犬が見ている初夢
ハシリドコロさんの作品
気がつくと白い平地に一匹。首輪の感触がない。僅かに感じる潮風に向かって歩みを進めると、唐突に後方へと引っ張られた。振り向くと地平線から続く一本の黒い筋。地を這うその直線は1メートルほど前で紐となって浮き上がり、その先は首元に突き刺さる。頸椎から直接リードが伸びているようだ。リードを嗅ぎ辿りながら来た道を戻る。視界の中央を貫くリードの直線が徐々に太くなっているのに気づいた頃、前方の地面に模様が見えた。さらに近寄って眺めると、それは書き初めであった。行書体で書かれた「支配と扶養」、首に突き刺さって終わる黒いリードは「養」の右払いから始まっている。にわかに墨の香りが強まると、唸りを上げながらリードが短縮し始めた。咄嗟に身構えるも為す術はなく、暴れる右払い、ピンと張るリード、引き寄せられる頭、迫る墨跡。鼻先が水面に触れる感触と共に目が覚め、ワンワン、ことしもご主人さま大すきだワン
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2点ジャージの顔
2点モモス
2点かさのば
2点木村太郎
3点とれいん